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1-101-
('A`)はキモいようです
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 20:44:12.04 ID:a6kxtf/E0
+          +  。
 *  、-'ヾ'''ヾ`"''','、、 ,       
  _-'"         `;ミ、     
 _-"ミ;ノリ人ノノヘ/リ; `゛゛ ミ   
 >ミ/         'γ、` ミ 
 了| "~`、  "~"`   {,',; ;} 。
 "7 `⌒`   ⌒   }ミ:. {   趣味はピアノです。
  '|   /       レリ*   
+  i  (       }ィ'    
   `  ー---    /|` +   
    ヽ  ̄    / |__     
     `i、-- '´   |ソ:

ttp://bouquet.u-abel.net/kimoi/001.html


2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 20:44:33.70 ID:nZwVLlzY0
+          +  。
 *  、-'ヾ'''ヾ`"''','、、 ,       
  _-'"         `;ミ、     
 _-"ミ;ノリ人ノノヘ/リ; `゛゛ ミ   
 >ミ/         'γ、` ミ 
 了| "~`、  "~"`   {,',; ;} 。
 "7 `⌒`   ⌒   }ミ:. {   おいでおいで
  '|   /       レリ*   
+  i  (       }ィ'    
   `  ー---    /|` +   
    ヽ  ̄    / |__     
     `i、-- '´   |ソ:

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 20:45:01.05 ID:a6kxtf/E0
        ,. -ー冖'⌒'ー-、
       ,ノ         \
       / ,r‐へへく⌒'¬、  ヽ    趣味? ピアノですけど、それがどうかしたんですか?
       {ノ へ.._、 ,,/~`  〉  }    ,r=-、
      /プ ̄`y'¨Y´ ̄ヽ―}j=く    /,ミ=/
    ノ /レ'>-〈_ュ`ー‐'  リ,イ}    〃 /
   / _勺 イ;;∵r;==、、∴'∵; シ    〃 /
  ,/ └' ノ \   こ¨`    ノ{ー--、〃__/
  人__/ー┬ 个-、__,,.. ‐'´ 〃`ァーァー\

前編のあらすじ
-------------
一流企業に勤めるサラリーマン、ドクオ。
彼はとてもキモかった。
女性達には避けられ、同僚たちにはバカにされる毎日。

この世界に絶望したドクオのもとに、
悪魔がやってきた。
( ФωФ)「じゃ、いっちょ暴れてみる?」

 というわけで後編のはじまりはじまり。

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 20:47:44.91 ID:a6kxtf/E0

〜act.10〜



 五階フロアー。
 ドクオは品質管理部のドアの前に立ち、聞き耳を立て、中の様子を伺う。

( ФωФ)「どうした、入らないのかい?」

 傍らの悪魔がふわふわと宙に浮きながら言う。

('A`)「静かすぎるんだ」

( ФωФ)「…?」

('A`)「いつもは騒騒しいメスブタどもが、今に限って物音一つ立ててやがらねえ。
   …こりゃ何かあるな」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 20:48:49.93 ID:HEuLWKfE0
お、ktkr

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 20:49:05.87 ID:a6kxtf/E0

( ФωФ)「さっきの女――クーとかいったか?
       さてはあいつが何か知らせやがったのかな…」

 ドクオはドアノブに手をかけ、にやりと笑う。

('A`)「ま、何をたくらんでるのかは知らんが、お手並み拝見といくか」
 



 ガチャリ。


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 20:51:09.73 ID:a6kxtf/E0

 狭く雑然とした品質管理部の部屋。
 二人のOLは変わらずそこにいた。

 ただ…


('A`)(…あれ?)


 様子が変なのだ。

 二人のOLはしょんぼり肩を落とし、しおらしい表情をしていた。
 いままでドクオが見たこともないような顔だった。

 悲しんでいるような、また後ろめたさに耐えられないといったような目つきで、
 ペニサスはドアのところで立つドクオのほうをちらりと見やった。


8 名前:('A`) ◆jOBMANDKSA :2008/02/28(木) 20:52:36.06 ID:FLPyEUgAO BE:31390122-2BP(1534)
俺のプライベートをなぜ>>1は把握してるんだ

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 20:53:05.95 ID:a6kxtf/E0

 ドクオはドアを閉めて室内に入る。
 それにあわせて、二人のOLは事務椅子から立ち上がる。

 ドクオの体が反射的に固くなる。
 また何かされるのではないか…
 長年いじめられてきたドクオの体は、その意志とは関係なく反応を返すのだ。



 だが、女たちのとった行動は、ドクオが予想もしていなかったものだった。

 二人は身をこわばらせるドクオの前に神妙な様子で並び、


('、`*川「ごめんなさいっ!」从'ー'从

 二人同時にそう言って、深々と頭を下げた。


 ドクオはあまりに想定外の出来事に、ぽかんと口をあけて立ちすくんだ。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 20:55:13.03 ID:a6kxtf/E0

 沈黙。
 背中で手を組みながら、何と言ったものか考えあぐねているドクオ。

 OL二人は頭を深々と下げた姿勢のまま動かない。


('A`)「ふ、ふふ、ふ、二人とも、どうしたの?」

 どもりながらドクオは言う。



 ペニサスが顔を上げる。
 恥ずかしそうに目じりを下げて、上目遣いでドクオを見つめている。

('A`)(よ、よく見るとけっこう美人…若いおにゃのこ…)

 ドクオは若い女の視線に耐え切れなくなって、
 おもわずぷいと目をそらした。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 20:57:16.66 ID:a6kxtf/E0

 伏し目がちに二人のOLは目配せをした。

 それが合図だったのだろう、
 渡辺が一通の封筒をドクオの前に差し出した。


('A`)「あ、それ…!!」

 ドクオはその封筒に見覚えがあった。
 青色の封筒の表面にはドクオ独特の筆跡で『クーさんへ』と書かれている。


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 20:58:33.02 ID:a6kxtf/E0

 自分なりに必死で探してきた、ハイセンスな便箋と封筒。
     《おしゃれな雑貨屋に入るのは、俺にとってはハッテン場に入るよりつらかったとです》('A`)

 自分の字の下手さに絶望しながらも、頑張って一文字一文字綴った想い。
     《ペン字の本を買って練習もしたとです。3ページほど》('A`)

 気の利いた文章が思いつかず、自分の厨二感性を呪いつつも、気が付けば想いの丈は分厚い便箋の束に。
     《正直、本屋で立ち読みした村上春樹をパクりまくりましたとです》('A`)

 明日渡そう、明日こそ渡すチャンスが…と思いつつ、
 もう何ヶ月もの間オフィスの机の中に眠っていた、


 それは、クーへの想いを綴りあげた、ドクオ直筆の分厚いラブレターだった。


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:00:25.47 ID:a6kxtf/E0

('A`)「か、返せ!」

 ドクオはびょう打銃を床に落とし、渡辺の持つ封筒に手を伸ばす。
 ひったくろうとしたが、女性である渡辺がまだその封筒を手に持っている。

 ドクオはそれ以上強く出ることができず、弱弱しい声で哀願する。

('A`)「返して…返して…ください……」


 その時ドクオは気づく。
 封筒の端が切り取られ、中の分厚い便箋の束が、その先端を封筒の外に飛び出させている。

('A`)「あれ?」

 …この封筒、開いてる?


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:02:41.97 ID:a6kxtf/E0

 OL二人がふたたびがばりと頭を下げる。

从'ー'从「ドクオ君…ごめんなさい」

('、`*川「私達、この手紙、開けて読んじゃったの…」


('A`)「え…えええええええええっ!!!!!!!!!!」


从'ー'从「さっき君の机でこれを見つけて、からかい半分で開けて読んじゃったの…」

('、`*川「でも、ドクオ君がこんなにクーのことを真剣に想ってたなんて…」

从'ー'从「そう想うと私達恥ずかしくなっちゃって」


 二人のOLはもう一度揃って頭を下げた。

('、`*川「ごめんなさいっ!」从'ー'从

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:04:40.85 ID:GiTDKaWlO
支援

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:04:45.70 ID:a6kxtf/E0

 ドクオの頭がぐるぐると回る。

 許せない。いくら頭を下げられても。
 勝手に自分の机をあさられて、勝手に秘密のラブレターを開封されて、
 勝手にその中身をすべて読まれたのだ。

 許せるはずがない。

 だが、そんなドクオの思考とは裏腹に、口からは心にも無い言葉が飛び出す。

('A`)「あ、い、いいですよ、そんなの。ははは…」

 長年虐げられてきた男の反射行動は、悲しいくらいに卑屈だったのだ。



 ドクオの口から出た許しの言葉を聞き、
 二人の女の顔に一瞬にんまりとした笑みが浮かぶ。


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:05:32.52 ID:2tNaU1Z60
遂にktkr

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:06:20.99 ID:GiTDKaWlO
支援

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:06:30.30 ID:a6kxtf/E0

 だがすぐに元の神妙な顔つきに戻り、
 もじもじしながらドクオの顔を上目遣いに眺める。

('、`*川「そ、それでさ…」

从'ー'从「罪滅ぼしといったら何だけど、その手紙…。私達がクーに渡してあげようか?」

('A`)「…え?」


('、`*川「その手紙、ずーっと机の中にあったじゃない」

从'ー'从「いままで渡したいのに渡せなかったんでしょう?」

('A`)「あ、うん…まあ…」


('、`*川「ドクオ君のこんなに純粋な気持ちを見ちゃってさ」

从'ー'从「私達、なんだか応援してあげたくなっちゃったの」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:08:39.91 ID:a6kxtf/E0

 ドクオはがたがたと震えていた。
 こんな優しいことを人から、それも女の子から言われたのは初めてだった。

 正直、嬉しかったのだ。


('A`)「ほんと…ほんとに?」

('、`*川「もちろん!」

从'ー'从「がんばって、ドクオ君!」

 二人の女は可愛らしい笑顔をドクオに向ける。


('A`)「じゃ、じゃあ…お願いしてもいい?」

('、`*川「うんっ!」从'ー'从

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:10:05.68 ID:a6kxtf/E0

('、`*川「やったーついにドクオ君、告白することに決めたんだね!」

从'ー'从「でもさ、それじゃあさ、もうすこし手紙も読み返しておいたほうがいいんじゃないかな…?」

('A`)「え?」

从'ー'从「この手紙書いたの夜中でしょう? 正直、ちょっと恥ずかしい言葉とかも入っちゃってたよ」

 そういえば。
 深夜に悶々としながら勢いだけで書いて、読み返しもせずに便箋に入れて封をしてしまっていた。

 何を書いたかわかったもんじゃない。

('A`)「あ…確かに」

从'ー'从「はいっ。クーに渡す前にもう一度読み返さなきゃ!」

 渡辺は分厚い便箋の束をドクオに手渡した。

('A`)「あ、はい、ありがとう…」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:12:09.18 ID:a6kxtf/E0

 便箋は十枚以上あった。
 そこに記された自分の文字をドクオは黙々と目で追っていく。

 そんなドクオを見つめる二人の女。



 こちこち、こちこち。
 品質管理部の部屋には、時計の音だけが響いていた。


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:14:49.78 ID:a6kxtf/E0
 便箋が三枚目にさしかかる頃だった。



 バァン!!!!!
 大きな音を立て、品質管理部のドアがとつぜん荒々しく開かれた。

(警備・3・)「通報があったのはこちらですか!?」

 制服に身を固めた五人の警備員がどかどかと入ってくる。

从'ー'从「は、はい!!!」
('、`*川「助けてください! この男が暴漢です!」

 女の変わり身はすさまじかった。
 小動物のようにちぢこまり、肩を小刻みに震わせて、
 おびえきった目つきでドクオを指差している。

('A`)(…何?)

 ドクオは自分のラブレターの便箋から目をあげてきょとんとした。

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:16:29.25 ID:/exQ+SvhO
ドックンカワイソス

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:17:10.44 ID:a6kxtf/E0
(警備・3・)「君、なんでびょう打銃なんか持ってるの?」

 警備員はドクオの足元に転がるびょう打銃を眺め、
 それから、髪が乱れシャツが片方出ているドクオの異様な風体を、あらためて眺め回した。

('A`)「あ、いや、これは…」

从'ー'从「人殺しです!私達を襲おうとしてたんです!!」
('、`*川「お願い! はやく連れて行ってください…!!」

 女達が金切り声で騒ぎ立てる。

(警備・3・)「…とりあえず話は警備室で聞こうか」

 屈強な警備員二人がドクオの左右の腕を掴む。
 便箋がドクオの手から落ちて、床にばさばさと散らばった。


(警備・3・)「あーもしもし本部、通報のありました社員を確保しました、はい、これからそちらに…」

 警備員がどこかに無線連絡をしている間、ドクオは両脇を抱えられ、呆然としていた。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:17:26.54 ID:O06H7lrW0
いや、信じたドクオがバカス

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:18:11.49 ID:a6kxtf/E0

( ФωФ)「…やられたな」

('A`)「え? 何のこと?」

( ФωФ)「お前はハメられたのさ。女たちに」

 はめられた…?
 ドクオは何のことかわからず、悪魔の言葉を口のなかで鸚鵡返しにつぶやいた。


 その言葉を聞いた女たちが、にんまりと笑う。
 もちろん警備員の目が女達からそれていることを確認してからだ。


从'ー'从「やっと気づいたの?」

('、`*川「ったく、相変わらずバカねえ…」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:18:33.93 ID:GiTDKaWlO
ドックン・・・

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:18:37.00 ID:Baa4ujQPO
ふおぉぉお泣いた……ドクオ……!!!

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:20:03.46 ID:a6kxtf/E0

('、`*川「クーがさっき来てさ、ドクオがなんかあぶない、おかしくなってる、五階に向かってるって教えてくれたんだよ。
     ついにあんたが狂ったかと思って警備員を呼んだんだけど、
     ほら、うち警備は外注だから、警備員がくるまでけっこう時間かかるじゃん」

从'ー'从「だからあんたのラブレターを使ったの。
     机にそれがあるのは前から知ってたからいつか面白おかしく遊んでやろうとは思ってたんだけど、
     まさかこんな形で役に立つとはねえ…」

 二人はさもおかしそうに、声を殺してくっくっくっ…と笑う。


('A`)「…だまし、た……?」


从'ー'从「当たり前じゃない。だれがあんたのキモい恋なんか応援するもんですか」

('、`*川「この最低の手紙の束も、いい時間稼ぎになったわね」

从'ー'从「ほんとほんと、単純に引っかかってくれるんだから…」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:20:11.92 ID:qlQXOSVRO
覚醒しろ!

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:22:03.55 ID:a6kxtf/E0

 床に散らばった便箋を拾い集めながらペニサスは言った。

('、`*川「それにしても、こんなに想われてるなんてクーも幸せ者だねー」

 からかうような口ぶりで、ペニサスはドクオの顔を覗き込む。

从'ー'从「うそーんキモいだけよー」

 渡辺はひひひと下品な含み笑いをもらす。


('、`*川「わかんないわよ、相手はクーだもん。あの子変わり者だからさぁ」

从'ー'从「そういえばクーってちょっと変なところあるわよねー。この年まで彼氏いないし」

('、`*川「ドクオみたいなカスとも『案・外』お似合いかもねー」

 けらけらけらけら。


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:24:01.83 ID:a6kxtf/E0

 唇を噛み締めるドクオの目の前で、ペニサスは拾い集めた便箋を、
 全部まとめて勢いよく、


 ビリビリビリッ――と、音を立てて破り捨てた。

 手が離され、紙ふぶきのように床に舞い落ちる便箋。


 まんまるに目を広げて、ただそれを眺めているドクオ。


 ペニサスは勝ち誇ったように反り返り、、ドクオを見下しながら、
 一言一言いい含めるように

('、`*川「   ば  ・  か  」


 と言った。


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:24:02.10 ID:kvKMPVas0
SATUGAIしろ!

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:25:40.47 ID:O06H7lrW0
こんなに殺したいペニは初めてだwwww

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:25:41.43 ID:qlQXOSVRO
キレたナイフになるしかない!

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:26:19.98 ID:Baa4ujQPO
もうダメだコイツら、やれドクオ。

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:27:12.83 ID:a6kxtf/E0

( ФωФ)「…やるんだろ?」









('A`)「当然だ」

 ドクオは両脇を警備員に抱えられ、1hyde(=156cm)の身長をなかば床から浮き上がらせながらも、
 自由の利く手先でポケットを探って、
 緑色のボタンを壊れんばかりに強く押した。


('A`)「俺の妄想を…最高の舞台(ステージ)を…見せてやる…」


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:29:19.15 ID:a6kxtf/E0

('A`)「エターナル・フォース・ブリザ――――――ド!!!」

 ドクオの全身から緑色の光が噴き出し、
 両脇を固めていた二人の警備員は壁際まで吹き飛んだ。


(警備・3・)「なっ…!」

 残り三人の警備員はすばやくドクオのほうに向き直り、
 手に持っていたスタンガンの電源を入れる。

(警備・3・)「こ、こら、おとなしくしてろ!!」

 電極の間に青白い高圧電流の放電が始まり、タタタタタンという軽い音が品管の室内に響く。


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:30:10.81 ID:qlQXOSVRO
秘奥義キターwwwwww

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:30:47.44 ID:O06H7lrW0
EFBキタwwwwwwwww

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:31:20.29 ID:a6kxtf/E0

('A`)「お前らジャマだ」

 ドクオはもう一度緑色のボタンを押した。
 警備員たちが持つスタンガンが金色の光を放ち、うねうねとうねる赤い双頭バイブへと姿を変えた。

(警備・3・)「あれれー?」

('A`)「どっか行ってろ」

 ドクオはそう言って緑色のボタンをまた押す。
 五人の警備員をまばゆいオレンジ色の光が包み込み、その姿は品管の室内から煙のように消え去った。


 五人の消え去った警備員たちは、
 その右手にのたくりまわる双頭バイブを握り締めながら、
 今まさにショーが行われている浦安方面のネズミ帝国の特設大ステージの上にあらわれることになるのだけれど、
 その件についてはまた明日の朝刊で。


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:33:12.80 ID:a6kxtf/E0

('A`)「さてと…」

 ドクオは二人のOLのほうに振り返った。
 女達はガタガタと震えていた。


( ФωФ)「殺すのかい?」

('A`)「まさか」

 傍らの悪魔は意外そうな声で言った。

( ФωФ)「へえ、殺さないのかい」

('A`)「当たり前だ」

 ドクオの唇がいびつに歪む。
 黒く濁った眼で、ドクオは二人の女を睨みつけた。

('A`)「…殺しちまっちゃ、それ以上の恐怖も苦痛も味わえないじゃないか」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:33:39.18 ID:qlQXOSVRO
从(警備・3・)从「あれれー?」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:34:26.39 ID:a6kxtf/E0

 ドクオは床に落ちていたびょう打銃を拾い上げる。
 うわあっ、と、渡辺が泣き出した。


('A`)「…このボタン、思ったことは何でもできるんだな」


 ドクオは開いている左手でデスクの上にあったアルミ製の1メートル定規を手に取った。
 銀色のきらめきが蛍光灯に反射した。

 右手にびょう打銃、左手に定規を握り締めて、ドクオはゆっくりと二人のほうに向かって歩き始める。


 OL二人はへなへなと腰から崩れ落ちた。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:35:02.67 ID:O06H7lrW0
ここまでやって許されるとか思わないよな、この二人も

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:35:25.09 ID:R4broMWE0
OL二人 が仰向けでひざ立てて寝てる人に見えた

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:36:16.94 ID:a6kxtf/E0
('、`*川「ご、ごめんなさい…」

('A`)「初めてお前の心からの言葉を聞いたような気がするよ」

 ドクオは表情の無い調子でそう言い放ち、
 ペニサスの広げた足の間、床の上ににびょう打銃を打ち込んだ。

 制服のスカートを床に釘付けにされ、ペニサスは声にならない悲鳴を上げる。

('、`*川「……た、助け…」

 腰が抜けて立ち上がることができないペニサスに向けて、
 ドクオは何度も、何度も引き金を引き続けた。

 何本かは彼女のOLの制服を引き裂き、何本かは鋭い音を立てて床に突き立つ。
 だが、一本の釘も、肉体そのものには命中させていない。
 
( ФωФ)「たいした腕だなあ」

('A`)「と、いうよりは、ボタンの力だろう。
   こいつはまったくたいしたもんだ、俺のシナリオどおり事を運んでくれる…」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:38:32.40 ID:a6kxtf/E0

 ペニサスの足元には水溜りができていた。
 恐怖に眼を見開いて、歯の鳴る音ががちがち聞こえるほどに震えている。

 ドクオは嗜虐の喜びでわくわくしながら、
 ずたずたに破れた服からみえる下着を隠そうともしないペニサスを見下ろし、
 左手のアルミ定規を刀のようにして首筋に当てる。

('A`)「そろそろお前も…」

 そこで言葉を切って、定規の刃で二、三度ペニサスの首筋をぺしぺしと叩く。

('A`)「……こ、ろ、し、て――やろうか?」




 ペニサスはその言葉を聞いた瞬間、焦点の定まらない瞳を真っ白にして、
 自分が作った小便の海の中に、後ろ向きにどうと倒れこんだ。

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:39:40.38 ID:i9s+ivomO
うわつまんね

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:40:34.43 ID:a6kxtf/E0

从'ー'从「あ…」

 同じように座り込み、同じように震えていた渡辺も、
 ペニサスが倒れると同時に同じように白眼をむき、これは前向きに床に倒れこんだ。


( ФωФ)「ありゃりゃ」

('A`)「…ちょっとばかしプレッシャーかけすぎたかな?」

 ドクオは左手に持った定規を投げ捨てる。

 倒れこんだペニサスをつま先で何度か軽く小突いてから、
 白眼を剥いているその顔に向かってぺっと唾を吐いた。


('A`)「ま、こいつらはこんなもんでいいか。
   俺にはまだまだやることがたくさんあるからな」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:40:50.98 ID:b+dV46cc0
支援

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:41:04.54 ID:qlQXOSVRO
支援

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:41:55.72 ID:QMj5i4360
支援

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:42:28.35 ID:a6kxtf/E0

〜act.11〜


 びょう打銃は大きくて重すぎる。
 それに、見た目も目立ちすぎる。

 そう考えたドクオは一計を案じた。
 拳銃を手に入れるのだ。

 ドクオは品質管理部から出てすぐ、
 まっすぐ課長と対決した工事現場に戻り、
 すでに息絶えたその死体の手からピースメーカーをはがし取り、
 背広の裏に隠して身にまとった。

 そして髪をなでつけ、服装を整えて、
 一見しただけでは何の変哲もないサラリーマンに見えるスタイルを整えた。

( ФωФ)「ま、キモいけどな」

('A`)「殺すぞ」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:44:25.92 ID:a6kxtf/E0

 ドクオは10階のカフェに向かっていた。
 そこでは女たちがいつも昼休みギリギリまでくだらない雑談で盛り上がっているはずだった。

( ФωФ)「…その女どもに復讐したいのかい?」

('A`)「まあな」

( ФωФ)「またギッタギッタにぶちのめしてやるのかい? ひひひ…」

 悪魔がうれしそうに舌なめずりする。
 先が二股に分かれた赤黒い舌が、ちろちろと唇を這い回る。



('A`)「復讐って言っても、そんなんじゃねえ」

( ФωФ)「へっ?」

('A`)「いっぺん論破してやりてえんだよ、女どもを」


57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:45:12.00 ID:QMj5i4360
支援

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:46:09.19 ID:a6kxtf/E0

( ФωФ)「…お前バカか」

 悪魔はネコのような目をせわしなく上下に動かした。

( ФωФ)「古今東西、女に口げんかを挑んで勝った男はいねえんだぞ。
       そもそも口げんかでいちばん簡単なことは『論破されないこと』なんだよ。
       相手の言うことを全部否定してりゃあ済む話なんだからな。
       どんなテーマでいくら話をしようが、けっきょく勝つのはヒマで粘着質なヤツ、つまり女のほうなんだよ」

('A`)「んなこたぁ解ってるさ、いわれなくても」

 ドクオは左ポケットに入れた緑色のボタンを叩いて、言った。

('A`)「見てみたくないかい? こいつが、どんなふうに働いてくれるかっての…」

 ドクオはにやりと笑った。
 悪魔もいっしょににやりと笑った。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:48:05.14 ID:a6kxtf/E0

 やや気後れしながらも、ドクオは10階のカフェに入る。

 カフェに二卓しかない窓際の景色のいいテーブルは、
 いつものようにやかましいOLたちによって占拠されつくしてしまっていた。

ξ゚听)ξ「ったく…この会社は働く女性に対する配慮が足りなすぎるわね」

ζ(゚ー゚*ζ「ほんとほんと。上層部の意識が低いのよ」

('A`)(…よし、この二人にするか)

 ドクオは隣の席に座る。

ξ゚听)ξ「はぁ…生理休暇を土日に続けて取っただけで怒るなんて、あのハゲ課長まじむかつく」

ζ(゚ー゚*ζ「とり方の日程がメチャクチャだなんて言っちゃってね。
       人の生理の周期を把握してんじゃねーよエロ課長!!」

 二人のOLは大げさに手を振り回して大声で笑う。

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:49:07.54 ID:QMj5i4360
支援

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:49:30.23 ID:qlQXOSVRO
('∀`)ニヤリ




( Ф∀Ф)ニヤリ

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:50:04.52 ID:a6kxtf/E0

 デレが手にしていたスイーツ(笑)用のフォークからケーキのクリームが飛び、
 ドクオのよれよれのスーツのすそにかかった。

 デレは一瞬チラリとドクオのほうを見る。
 飛び散ったクリームを見て「あ、やべ」という表情を見せるが、
 相手がドクオであることを確認して安心し、何事もなかったかのようにツンと会話を再開した。


('A`)「Eternal Force Blizzard...」

 ドクオは怒りに震える手で緑色のボタンを押した。





 彼の後頭部、後ろのほうが、どことなくぱあっと光りはじめ、

 ――なんというか、『後光』が差した。


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:51:51.89 ID:a6kxtf/E0

 ドクオはゆっくりと立ち上がり、二人のOLのほうに向かう。

('A`)「…生理休暇の取得は、適正に行うべきじゃないかな」

 抑揚の無い声でおだやかに話しかける。
 女達は嫌悪感を顔いっぱいに示しながらドクオ(後光付き)のほうを見た。
 はやくもドクオの存在を「敵」と認識しはじめたようだ。

ξ゚听)ξ「私の生理休暇のとり方が不正だっていうの?
      じゃ、このとり方が不正でなかったらあなたはどうしてくれるの?」

 いつものドクオならこの問いかけに対し正面から答えようとしてキョドり、四苦八苦していただろう。
 だが、今日のドクオは違う。後光が差している。

 ドクオはこの詭弁を軽くいなした。

('A`)「仮定の話は関係ありません。あなたの今回の取得方法は不正だ」

ξ゚听)ξ「くっ」


64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:53:20.50 ID:a6kxtf/E0
ζ(゚、゚*ζ「じゃあさ、どこが不正なのか言ってみてよ。生理が続けてくる人もいるんだよ?」

('A`)「今回はあなたがたの話だ。特異体質の人の例は関係無い」

ξ゚听)ξ「生理休暇は女性の権利よ! 権利行使は自由意志によるべきだわ」

('A`)「権利の行使には公共の利益からの制約があるんです。会社のみんなに迷惑がかかるんですよ?」

ξ゚听)ξ「女性は男性に比べてかよわいんだから休暇の自由くらいみとめられるべきだわ!」

('A`)「あなたのご意見として承っておきます。ですが、一般的にはそうは考えられてませんよ?」

ξ゚听)ξ「なによ、男だって家族サービスで有給をとる時代じゃない!!」

('A`)「今はあなたの生理休暇の話です」
ξ#゚听)ξ「キ――――――――ッなに人の生理の話に必死になってんのよ! バーカバーカ!!」

('A`)「…ま、あなたはこれでいいでしょう」

 ドクオは憐れみの視線をツンに投げかける。
 そしていまだに闘志を失っていないデレのほうに向き直る。

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:56:42.81 ID:qlQXOSVRO
キモいなwww

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:57:04.68 ID:QMj5i4360
        ,イ         ━┓¨
       / |         ━┛
   ,r‐、λノ  ゙i、_,、ノゝ     ━┓¨
  ゙l            ゙、_   ━┛
  .j´   ヽ('A`)ノ    (.  ━┓¨
  {     (  )      /  ━┛
   )    ノω|    ,l~


今のドクオこんな感じか

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:57:17.86 ID:a6kxtf/E0

ζ(゚、゚*ζ「女性を大事にしない男なんて最低。死んじゃえ」

('A`)「甘やかすことと大事にすることは違います」

ζ(゚、゚*ζ「何さ。へんな光を頭の後ろから出しちゃってさ」

('A`)「不正取得はいけませんね」

ζ(゚、゚*ζ「キモいんだよお前!」

('A`)「不正取得はいけませんね」

ζ(゚、゚*ζ「はン…童貞のいいそうなことだわ!」

('A`)「不正取得はいけません」

ζ(゚、゚*ζ「バッカみたい。それしか言えないの?」

('A`)「不正取得はいけませんね。人事考査にも響きますよ?」
ζ(゚、゚*ζ「もううるさい!! わかったわよ!! 次から正しくとるからそれでいいんでしょ!!!」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:57:30.67 ID:O06H7lrW0
おい袋を隠せwwww

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 21:59:06.43 ID:a6kxtf/E0
('A`)「では今回の不正取得は認めるわけですね」

ζ(゚、゚*ζ「不正なんてしてないわよ! どこが不正なのか言ってみてよ!!」
('A`)「その話は最初にしましたね。覚えてないのですか? まったく、記憶力が足りませんね…」

ζ(゚、゚*ζ「不正、不正って言うけど不正取得なんて言葉は法律にも就業規則にも無いのよ?!
      そんなことも知らないの?!」

('A`)「はい、あくまで不正取得というのは一般概念ですね。ですが条理慣習として実務では扱いが確立しています」

ζ(゚、゚#ζ「あんたは最低だわ!! この男女差別のチンカスゴミ野郎!!!!!」

 デレは全身の力でテーブルを叩いて立ち上がった。
 ケーキの皿は跳ね上がり、グラスは宙を舞った。

 デレの叫び声がこだました後は、
 カフェの中は水を打ったように、しーん…と静かになる。


 ドクオは満足げににんまり笑うと席を立ち、
 呆然としているレジ係に500円玉を投げてカフェを出て行った。

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:01:30.99 ID:a6kxtf/E0

〜act.12〜


 八階フロアー。
 昼休みが終わり、せわしなく人々が仕事に戻りつつある中、
 ドクオもその人波に混じるようにしてオフィスの廊下を歩いていた。

( ФωФ)「やるじゃねえか」

('A`)「まあな。ボタンの力だけどな」

( ФωФ)「で、次は何をやるんだい? 考えてあるのか?」

('A`)「ああ、まあな」

 一つのドアの前でドクオは歩みを止める。
 『人事部』と書かれている。

 ドアノブをひねり、ドクオは部屋の中に入った。


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:03:09.93 ID:qlQXOSVRO
支援

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:04:51.70 ID:a6kxtf/E0

 人事部の中は、品質管理部とは比べ物にならないくらい広かった。

 ドクオは黙って机と机の間を縫って、部屋の奥、突き当たり、
 『課長』と書かれたプレートが置かれたデスクのところに歩いていった。

('A`)「モララー課長」

( ・∀・)「…何?」

 モララーは顔も上げずに答えた。

('A`)「僕の考査票を見せて頂けませんか」

( ・∀・)「あーいいよー」

 この会社では、社員のモチベーションを上げるためと称して、
 自分自身の評価に関するデータを見せてもらえる制度になっていた。

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:07:04.96 ID:a6kxtf/E0

( ・∀・)「チョチョイのチョイ…っと」

 モララーの卓上に置かれたレーザープリンタから一枚の書類が出力される。

( ・∀・)「ほい、できたよ、勝手に取ってって」

 モララーはそれだけ言うと、ドクオの存在は無視して自分の仕事に取り掛かり始めた。


 ドクオは出力されたA4用紙を手にとる。
 そこに印字されている文字を見て、大きく後ろにのけぞった。

 表題部に『氏名: 欝田 毒男』と掲げられたその文書は、
 用紙全体にまたがるように、赤字で『リストラ』の四文字が乗せてあったのだ。


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:08:03.44 ID:qlQXOSVRO
ひでぇwwwwww

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:08:14.47 ID:a6kxtf/E0
('A`)「モララーさん、こ、これ…!!」
( ・∀・)「んー?」

 心底めんどうくさそうにモララーがドクオを見る。

('A`)「どういうことですか、リストラって!」
( ・∀・)「どういうことって、俺は人事担当じゃん。誰をリストラするか決める権限を持ってるんだぜ」

('A`)「そうじゃなくって! 何で俺なんですか!」
( ・∀・)「しょーがないじゃん。お前の評価はFが八割以上、わが社始まって以来の最低の評価なんだから」

('A`)「そんな…!」

( ・∀・)「お前の上司…ブーン課長だっけ? あの人から回ってくるお前の評価書も最低だし」
('A`)「!!!」

( ・∀・)「秘密聞き取り調査でも、聞く人聞く人みんなお前の悪いことしか言わないぞ」

('A`)(…ペニサスと渡辺か……)

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:09:41.96 ID:a6kxtf/E0

( ・∀・)「それより何よりさ、俺はお前のことだいっ嫌いなわけ」


 えっ…?
 モララーの言葉に、ドクオはその場に固まった。


( ・∀・)「臭いし不潔だしチビでいつもオドオドしてさ。
      お前がうちの会社に入ったこと自体が何かの間違いだよ。
      やっぱさ、嫌いなやつから順に辞めさせたいじゃん?」

('A`)「そんな…」

( ・∀・)「社長からリストラ候補を何人か選べって言われたから、お前リスト入りさせといてやったよ」

('A`)「け、権力の乱用ですよ、それは…!」

( ・∀・)「あーうっせ。
      何が乱用だよ、俺には権力があるんだからそれを使って何が悪い」


77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:11:08.34 ID:g1pIgc9M0
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:11:21.95 ID:qlQXOSVRO
支援

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:12:17.13 ID:/zXHzLi+0
しえ

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:12:44.89 ID:a6kxtf/E0

 血が出るほど奥歯を噛み締めるドクオの隣で、悪魔が囁いた。

( ФωФ)「やる?」

('A`)「…やらいでか」

 ドクオは緑色のボタンを押した。
 背広の襟につけた社章が鈍く光った。

('A`)「…イー・エフ・ビー」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:13:10.71 ID:O06H7lrW0
略すなwww

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:13:41.68 ID:tYC6wiPx0
支援

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:14:39.81 ID:a6kxtf/E0


('A`)「…モララーさん」

( ・∀・)「何? まだなにか用?」

('A`)「あなたもリストラ候補の一人に入っているようですよ?」

( ・∀・)「は? 何バカなこと言ってんの?」

('A`)「あなたの評価書は俺より最低の九割F。リストラは当然ですよ」

( ・∀・)「…狂った?」

('A`)「疑うならあなた自身の評価書を見てみればいい」

( ・∀・)「あーまあ見たいってんなら見せてあげてもいいけどね。
      それ見たらさっさと自分の部屋に帰ってね」

 モララーはパソコンを操作して自分の考査票を出力する。
 レーザープリンターがものの数秒でそれを印刷し、吐き出す。

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:15:43.88 ID:tYC6wiPx0
支援

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:16:19.09 ID:a6kxtf/E0

 『表題部 氏名:藻裸 羅』
 A4用紙の表面には、でかでかと『リストラ』の赤文字が躍っていた。

 ただでさえ小さいその瞳をさらにけし粒のように小さくして、モララーは自分の考査票を眺める。


('A`)「実は僕、人事部の評価を逆監査する権限があるんです」


( ・∀・)「…え?」

('A`)「モララーさん、あなたは公私混同が過ぎるようです。
   人事をつかさどる人間としては失格としかいいようがありませんね。
   社長より賜った人事権の行使として、僕はあなたのリストラを宣告します」

( ・∀・)「は………」

 モララーの手からボールペンが落ち、机の上を転がっていく。
 パソコンのディスプレイの上には『リストラ』の赤文字が大きく拡大され表示されていた。


86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:16:22.82 ID:O06H7lrW0
wktk

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:18:02.87 ID:a6kxtf/E0
〜act.13〜
( ФωФ)「手馴れてきたな」

('A`)「力を持つってのは気分がいいもんだな」

 高層階用のエレベーターで上へと向かいながら、ドクオと悪魔は話をしていた。

( ФωФ)「で、次は何をやるんだい?」

('A`)「ああ…そろそろ最後の仕上げにかかろうと思う」

( ФωФ)「賢明な判断だ。
       ブーンの死体、警備員の行方不明。
       騒ぎが起こるのは時間の問題だろうからな。
       それに、お前の…」

('A`)「…ん?」

( ФωФ)「…いや、何でもねえ」

 悪魔はにやりと悪魔的な笑みを浮かべた。

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:18:23.58 ID:3hC+elVy0
コッカイイ!

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:19:11.23 ID:tYC6wiPx0
PALYZEになりそう

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:20:12.87 ID:R4broMWE0
キモカッコイイ

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:20:57.30 ID:a6kxtf/E0


 ポーン。
 エレベーターは最上階である33階に着いた。

('A`)「さ、行くぜ」



 ドクオは33階のエレベーターホールに降り立つ。
 この階には部屋は一つしかない。


 ――――社長室、だ。


92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:22:38.24 ID:a6kxtf/E0

(´・ω・`)「何だね、君は」
 
 社長室のドアの前には一人の老人が立っていた。
 ドクオはその老人を知っていた。

('A`)「…ショボン常務」

(´・ω・`)「何か用かね。ここは社長室、きみのような平社員がみだりに来る場所じゃないよ」

('A`)「常務…」

(´・ω・`)「ん?」

 ショボンは凍りついた。
 ドクオはいつのまにか拳銃を構えていた。

 銃口をまっすぐショボンのほうに向けながら、ドクオは言った。

('A`)「どいてください。社長に話があるんだ」


93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:24:40.04 ID:a6kxtf/E0
 ギギィィィィ。
 重厚な音を立てて、社長室の重い木の扉が開く。


〜act.14〜

 一面が完全にガラス張りとなっているただっぴろい部屋。
 ダーク・カラーで統一された深みと落ち着きのあるインテリア。

 社長室の奥に、その男はいた。

ミ,,゚Д゚彡「…ドクオ君だね?」

 フサ社長は大きな目でドクオを見据えながら、ゆっくりと口を開いた。


('A`)「僕のことを知ってるんですか、社長?」

ミ,,゚Д゚彡「もちろん。僕はうちの社員の名前は全部知っているよ。
      僕は自分の手で全社員の面接をした。だから僕は全社員を愛している」


94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:24:45.26 ID:tYC6wiPx0
支援

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:26:02.91 ID:a6kxtf/E0

('A`)「そうですか…。
   それなら、なぜ」

 ドクオはそこでいったん言葉を切る。


('A`)「…社長、どうして品管なんていう部署があるんですか?
    わが社のような商社では、あんな部署は何の仕事も無いっていうのに。
    どうして僕を品管なんかに配属したんですか?」


96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:26:48.54 ID:a6kxtf/E0

 社長は黒檀のデスクから立ち上がり、ガラス張りの窓のほうへと歩んでいく。
 後ろ手に手を組み、ドクオに背中を向けながら、社長は喋る。

ミ,,゚Д゚彡「嫌…だったかい?」

('A`)「そりゃそうです。まわされる仕事は価値のないものばかり。
   昇進の望みはまったくなし。給料は最低ランク。
   毎日が嫌で嫌でしょうがないですよ、あんな部署は」


 すこし間を置いて、社長は挑発的な口調で答えた。

ミ,,゚Д゚彡「嫌なら辞めればよかったじゃないか。
      実際、品管に行った社員でまだ在籍しているのは君とあの二人のOLくらいなもんだ」


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:27:18.54 ID:tYC6wiPx0
まぁねぇ

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:28:43.35 ID:a6kxtf/E0

('A`)「辞める…?」

 社長の心無い言葉に、ドクオの心臓はおおきく一つドクンと脈打った。
 左手に持った緑色のボタンをギュッとにぎりしめて、その存在を確認する。

 が、まだボタンは押さず、ドクオはさらに喋る。

('A`)「辞めれるわけないだろう。生活がある。
   俺なんか、辞めたら次の就職は絶望的だ。
   あんたにはわからないだろう、
   俺みたいな、一生誰かの命令を聞いて働くしか能がない奴隷の気持ちは」

 背中を見せている社長の肩が揺れる。

('A`)(笑って…る…?)

 ドクオは右手に握ったピースメーカーの撃鉄に親指をかける。


99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:29:21.29 ID:tYC6wiPx0
支援

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:30:05.54 ID:O06H7lrW0
支援

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:30:30.16 ID:a6kxtf/E0

ミ,,゚Д゚彡「やはり君は僕の見込んだとおりの男だったね。
      面接のときは他の採用担当官からずいぶん反対されたんだよ。
      君のようなキモい男は採るべきではない、ってね。
      でもその意見を押し切って君を採用したのは、僕だ」

 社長は部屋の中を歩き回り始めた。

('A`)「…俺をごまかそうとしても、無駄だ」

 ドクオはピースメーカーの撃鉄を上げた。

('A`)「俺は、俺の人生と精神をムチャクチャにしたこの会社に復讐をする。
   この会社のいちばんえらい人であるあんた…フサ社長。
   あんたに個人的恨みは無いが、会社を代表して、死んでもらう」

 社長は驚いたような顔をして振り返った。

ミ,,゚Д゚彡「君、この会社でいちばんえらい人は誰なのか、知らないのかい?」


102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:31:14.81 ID:tYC6wiPx0
支援

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:32:02.99 ID:a6kxtf/E0

('A`)「…ふざけてるのか?
   あんただ、って言えば満足なのかい」

ミ,,゚Д゚彡「とんでもない、僕なんか一介の使用人なんだよ」

('A`)「…?」

ミ,,゚Д゚彡「僕なんか、株主総会の決定事項を実行するために選ばれただけの雇われ人にすぎないんだよ」

('A`)「なるほど…。
   つまり、この会社でいちばんえらいのは『株主様』だ、って言いたいのかい」

ミ,,゚Д゚彡「そういうこと。僕なんか、株主様から給料を頂いて雇われてるサラリーマンにすぎないんだ。
      なにしろ彼らの意向に逆らうことをやったら、たちまち臨時株主総会で僕のクビが決定するんだから」

 フサはにこやかな笑顔をつくり、ドクオに言う。

ミ,,゚Д゚彡「僕と君とは、しょせん同じ奴隷どうしなんだよ。株主様をご主人様に仰ぐ…ね」


104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:32:23.75 ID:qlQXOSVRO
(´・ω・`)「このショボン様さ!」

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:33:16.81 ID:tYC6wiPx0
丸めこまれそうだな

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:34:04.83 ID:a6kxtf/E0

('A`)「嘘だ」

 ドクオは広い社長室を見渡す。
 大きな本皮張りの応接ソファを見つけ、どっかりとそこに腰掛ける。

('A`)「俺が奴隷なら、あんたは…」

 豪奢なクリスタルの灰皿を眺めて、
 卓上の大理石製のライターを手に取る。
 勢いよくそれを放り投げ、部屋の隅の観葉植物に叩きつける。

 ドクオが見たことも無いような高価そうな品物の数々。
 それらのぜいたく品は、社長とドクオとの間には長く分厚い壁が横たわっていることを教えてくれる。

('A`)「奴隷頭だ。同じ立場の奴隷じゃ、無い…」

 ドクオは銃口を社長に向ける。
 撃鉄は起きており、人差し指は引き金にかけられていた。

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:34:09.41 ID:BakKVkH20
まんじゅう房自重

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:36:15.25 ID:a6kxtf/E0

ミ,,゚Д゚彡「頭か…」

 社長は納得したように二、三度頷く。

ミ,,゚Д゚彡「なるほど、うまいこと言うじゃないか。
     …で、その奴隷頭をどうするつもりだい、スパルタカス君?」

 スパルタカス。
 その名前くらいはドクオも知っている。

 ローマ時代の剣闘奴隷。七万人の奴隷とともに反乱を起こし、
 正規軍を打ち破りながら自由の獲得を目指した戦士だ。



 俺が、スパルタカス―――

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:36:59.16 ID:tYC6wiPx0
クリニック

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:38:20.35 ID:a6kxtf/E0
 俺はなぜ自由を求めているのか?
 それは、いじめられ抑圧される毎日に嫌気が差したからだ。

 なぜ抑圧されるのか?
 それは、会社にいるからだ。
 会社にいるから、嫌な仕事でも命令を聞かなければならないのだ。

 なぜ会社を辞めれないか?
 それは、それ以外に生きる術-つまり金を稼ぐ術を知らなかったからだ。

 ならば、会社以外の方法で金を稼げれば、
 俺は自由になれるのではなかろうか?


 ―――ドクオはこの時、はじめて『希望』という言葉の意味を知った。


('A`)「…社長」
 ドクオは銃を下ろす。

('A`)「俺、会社、辞めます」

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:39:52.03 ID:tYC6wiPx0
あらあら

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:40:19.76 ID:a6kxtf/E0

 銃口から開放され、社長はほっとしたような表情を作る。

ミ,,゚Д゚彡「反乱奴隷は、ついに自由を獲得したようだね…」

 社長はドクオに背を向け、窓際へと歩み寄る。


ミ,,゚Д゚彡「だが」

 社長は窓の外を眺め、言う。


ミ,,゚Д゚彡「現実とはいつも残酷なものだ。
      見たまえ、ローマ軍が到着したようだ…」





 耳をつんざくサイレンの音。

113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:41:42.26 ID:a6kxtf/E0
 ドクオはソファから飛び起きて窓際に駆け寄る。
 今北産業ビルの入り口には警官隊が非常線を張っており、
 機動隊がエントランスから何人か突入しているのが見えた。

('A`)「しまった…ショボン常務め、警察を呼びやがったな!」

ミ,,゚Д゚彡「たった一度の失敗でも、たった一度のやんちゃでも、人生はそのすべてが滅びてしまう…。
      現実とは厳しいものだ」

 社長はかぶりを振って言った。


('A`)「くっ…!!」

ミ,,゚Д゚彡「おっと、僕を人質にして逃げようなんてことは考えないほうがいい。
      そんなことをしても無駄、ぜったいにつかまってしまうってことくらいわかるだろう?
      無駄なあがきは罪を重くするだけだよ」

 エレベーターホールにポーンという機械音が鳴り、
 すぐ続いてどかどかどか…と騒騒しい軍用ブーツの音が聞こえ始める。

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:42:00.40 ID:tYC6wiPx0
支援

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:43:12.04 ID:a6kxtf/E0
('A`)「なに、まだ俺には、これがある…!!」

 警官隊の突入を止める力!
 そう念じながらドクオは緑色のボタンを押す。

 …何も起こらない。


 社長室のドアが破壊され、透明の盾を持った完全武装の機動隊が突入を開始した。

('A`)「ど、どういうことだ!」

(機 ∵)「おとなしくしろー」


 一人の機動隊員がドクオに飛びかかる。
 押し倒されたドクオの上に屈強な隊員たちがのしかかっていった。

('A`)「くそっ…こいつらを跳ね除ける力を!!」

 ドクオはそう叫び、もう一度緑色のボタンを強く押した。

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:45:10.32 ID:tYC6wiPx0
支援

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:45:15.00 ID:a6kxtf/E0

( ФωФ)「あー、たぶんもう、無駄だと思うぜ…」

('A`)「ど、どういうことだ!
   なぜだ、なぜできない」

( ФωФ)「そりゃあだってお前さんの魂がもうほとんどからっぽだからな。
       わかりやすくいえば『MPが たりない!』さ。
       警官隊を阻止するなんて、そんな大それた魔法を実現するだけのMPが無いってこと」

('A`)「なん…だと…」


( ФωФ)「あれれー言ってなかったかなー?」

 悪魔は、機動隊員に組み敷かれるドクオを空中から見下ろし、
 いじわるそうにニヤニヤと笑う。


118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:46:13.12 ID:tYC6wiPx0
やはり代償があるのか

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:46:40.72 ID:4w9PwDSs0
支援

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:47:30.41 ID:a6kxtf/E0

( ФωФ)「そのボタンは、お前さんの『魂』と引き換えに、
       願いを実現する力を与えるボタンなんだ。
       魂は来世での生まれ変わりに必要なんだけど、
       そのぶんを今世に前借りしてくるってこと。

       あ、ちなみに、『魂』ってのは、
       来世においての顔のよさとか頭のよさとかっていうパラメーターに割り振るための数値だから、
       お前さんは来世に生まれ変わっても、
       またまた恵まれないキモメンになるってのはほぼ決定ね」

 ドクオは目の前がグルグルと回りだした。
 怒りで顔が粘土みたいな色になる。

('A`)「…さ、先に言え、そんなことは!!
   ひどいじゃねえか!! この…悪魔……!!!!!!!」


 『希望』―――――――
 やっとその意味を理解した言葉が、
 今この瞬間、その姿を『絶望』に変えたのだ―――――

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:48:07.24 ID:4w9PwDSs0
来世オワタwwww

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:48:33.99 ID:tYC6wiPx0
支援

123 名前:あいどる ◆ymw5Gdfnbs :2008/02/28(木) 22:48:53.66 ID:xfpQE4oQO
きっと前世でも・・

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:49:35.39 ID:a6kxtf/E0

( ФωФ)「悪魔、ねえ。それは侮辱の言葉のつもりかい、それとも、単に俺の名を呼んでるのかい」

 へらへらと笑いながら、悪魔はドクオの悔しがる様子をあざ笑っていた。


 涙と鼻水で顔中をぐちゃぐちゃにしながら、
 ドクオはわけのわからない奇声を上げ続けた。

('A`)「警察を止めるほどの力が無いなら…!!
   自由な俺を、再び檻と鉄鎖の中に突き落とすつもりなら…!!!」

 機動隊員に上にのしかかられながらも、
 ドクオは最後の力を振り絞り、右のポケットに入れてあった、【リセット】と書かれた赤いボタンを取り出す。


('A`)「もう、こんな人生はいらねえッ―――――――!!!!!!」


 今北産業の社長室に、爆発のような閃光が走った――


125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:49:44.36 ID:R4broMWE0
キモメンに救いはないのか!

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:49:48.49 ID:O06H7lrW0
繰り返している、とかだったらいとあはれwwwwww

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:51:36.03 ID:tYC6wiPx0
潔いね

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:52:31.33 ID:a6kxtf/E0


〜 Epilogue


 変なことになっちゃったなあ。

 ワンルームの台所でミルクの準備をしていたクーは、
 哺乳瓶のフタを閉めてベビーベッドのほうに急ぐ。

川 ゚ -゚)「ああ、いま行くよ、よしよし」

 ベビーベッドの中には一人の赤ん坊。
 おなかがすいてなき続けている赤ん坊に、
 クーは哺乳瓶のミルクを含ませる。

 あの日、社長室にとつぜん現れた赤ん坊。
 気味悪がってだれも引き取る人がいなかったので、
 仕方なくクーがしばらくの間育ててやってもいいと申し出たのだ。


129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:53:42.45 ID:a6kxtf/E0

 あの日以来ドクオの姿を見たものはいない。


 事件について何か知ってると思われる人物も何人かいたものの、
 ブーン課長は自分の胸をびょう打銃で撃って自殺とされていたし、
 ドクオと同じ課のOL二人はいまだに物を言える精神状態ではなかった。


( A )「バブー」

 赤ん坊はクーの胸に手を伸ばす。


川 ゚ -゚)「ん?おっぱいがほしいのか?
     …お前にはまだ早い!」

 クーは赤ん坊の手をぴしゃりと叩く。


130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:54:12.43 ID:J9M/ZEA5O
まさか・・・

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:54:35.06 ID:tYC6wiPx0
どんな子育てだよwww

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:54:52.05 ID:a6kxtf/E0

( A )「バブー」

 クーは自分のベッドにごろりと横になり、天井を見上げる。
 赤ん坊がミルクに吸い付く音が、テレビの音に混じって聞こえてくる。

 それにしても、変なことになっちゃったなあ。




('A`)はキモいようです -完-

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:55:57.87 ID:zmFxQX8+O
>>1
なかなか楽しませて貰ったw

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:57:30.76 ID:kvKMPVas0
おつ

135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:57:44.66 ID:sa8eX249O
支援

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:57:54.77 ID:2tG8hGVG0
>>1おつかれさま
楽しかったww

137 名前:afo ◆2z7bKNbsWo :2008/02/28(木) 22:58:09.86 ID:a6kxtf/E0
おわりに

思ったより長くなっちゃいましたがこれにて完結です。
ブロードバンドが使えるうちに投下できてよかったです。

おつきあい下さった皆様、いつもありがとうございます!

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:58:41.70 ID:R4broMWE0
おもしろかった
今から前編読んでくる

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 22:59:21.83 ID:O06H7lrW0



なかなか意外な展開で面白かったぜ

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 23:00:18.25 ID:4w9PwDSs0

ドクオらしいクズだった

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 23:00:29.18 ID:tYC6wiPx0

夢オチじゃなくて良かったぜ

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 23:01:59.91 ID://0tdynZO
お疲れー、これってドクオにとっちゃハッピーエンドぎみなんだろか

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 23:02:36.90 ID:qlQXOSVRO
乙でした!

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 23:03:28.31 ID:b+dV46cc0


ドクオらしさが出ていて面白かったぜ

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 23:16:14.82 ID:848rvbXCO


146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 23:18:07.77 ID:l2RVjwDE0

いいね、最近のじゃ一番好きだ

147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 23:19:51.80 ID:Baa4ujQPO
追い付いたら終わったw乙でした!

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 23:33:32.02 ID:qx5OdKgpO
乙!
ドクオうらやましいw

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 23:37:54.94 ID:cbQemh20O
よむほ

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/28(木) 23:57:12.58 ID:82/qwI+EO

面白かった
期待して待ってた甲斐があった

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/29(金) 00:07:01.41 ID:TvPLXRpXO


152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/29(金) 00:14:42.94 ID:zKn71ClZO
乙。ドクオがドクオらしくて良かった。


153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/29(金) 00:35:41.27 ID:KfmoageX0


154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/29(金) 00:41:50.98 ID:Ya60GESTO
赤ん坊になったのは来世なのか?
それとも現世のやり直し?

155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/29(金) 01:19:43.53 ID:1DPcnsAL0
>>154
どちらにせよキモいだろうから問題ない

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/29(金) 01:25:17.10 ID:Ya60GESTO
>>155
それもそうだなw